ジャンル：ハートフル恋愛アドベンチャー

攻略対象キャラ：４人

キャラクターデザイン：藤間　麗

 

＜ストーリー＞

舞台は、東北地方にある、廃校寸前の高校。

生徒は主人公を含めてわずか３人。３人が揃って卒業する次の３月で、廃校になることが決まっています。小さな村で、幼い時からずっと一緒に過ごしてきた３人。そんなある日、主人公の亜衣は、七夕の夜に、満天の星の下、穏やかに微笑む青年に出会います。

後日「転校生」として現れた彼を含めた４人と過ごす、卒業までの時間の中。

 

素朴な風景を舞台に巡る、少し切ない青春の恋の物語。

 

 

＜感想＞

キャラデザをされている漫画家さんが割と好きなので、興味を惹かれて購入しました。攻略キャラが４人ということで、最初はちょっと少ないんじゃないかと思いましたが（アンジェのやりすぎ！）、１人１人のストーリーをしっかり書き込んでいたので、この人数でも充分楽しめました。

ヒロインの「初恋」が描かれていて、初恋ゆえの混乱とか、戸惑いとか、切ない気持ちなどが、切なくも爽やかに描かれています。

舞台が舞台でもあり、ヒロインを取り巻く田舎での日常の中でストーリーが進むので、大きな盛り上がりには少々欠ける気はしますが、しかし良い意味での「純愛少女漫画」な作品だったと思います。

 

「星」がテーマになっているだけあって、星占いシステムあり（笑）

…しかし、どちらかと占いというより、キャラクターの攻略情報が見られるシステムといった感じでした。

 

以下、それぞれのルートの感想です。激しくネタバレしているので要注意！

 

【稲船　隆志】（CV．水島　大宙）

●幼馴染３人のもとに現れた、季節外れの転校生。のほほんと穏やかな天然系。眼鏡＆敬語キャラです。

はじめから、なんだか薄倖そうな少年だなあ（←大概失礼）、と思ったら、案の定彼のルートでは、目の病気を抱えている状態で、目が見えなくなるまでの僅かな時間、田舎に大好きな星を見に来ている少年であることが判明。

病状の悪化により、ある日突然、別れの言葉もなしにヒロインたちの元を去る彼。離れて初めて、彼が好きだったことに気付く主人公の心理描写が切ないです。

きっと、ヒロインたちの支えで、手術は成功して、きっと目が見えるようになると楽観的に思ってたら…失明って、そんな、シビアな…！

しかし、そんな痛みを乗り越えて、最後はヒロインとの穏やかな幸せを掴み取ってくれて、安心しました。

 

【明戸　紳】（CV．真殿　光昭）

●ヒロインの幼馴染で、明るく面倒見のいい少年。手先は器用だけれど、内面は不器用な性格で、人見知りが激しい（…らしい。）

タイプでいえば、天真君に近いかな…？

密かにプレイ中はチャーリーと呼んでました。（中の人つながり。）

紳の家は母子家庭で、母と別れた父に憎しみを抱いており、ストーリーが進む中、危篤状態に陥った父に会うべきか、会わないべきか。悩み、不安定な状態に陥った彼をその間、ヒロインが献身的に支え続けます。

ずっと側にいた幼馴染から、大切な人へ。少しずつ２人の気持ちが変わっていく様子が丁寧に描かれていますｖ

紳のルートはとにかく、お兄ちゃん大好きっ子な妹ちゃんが活躍！甘い展開というよりは、爽やかな恋、という感じでした。

 

【鳴滝　誠悟】（CV．岸尾だいすけ）

●ヒロインの幼馴染２人目。誰とでもそつなく付き合えるクール系、とのことでしたが、ヒロインには最初から優しいので、そんなこともないな…？と思っていたのですが。彼のルートに入ると、ちゃんとその部分も描かれていました。（うん、当て馬キャラはやっぱ必要だよね！）

彼はず〜っと、幼い頃からヒロインを好きで、想いを秘め続けていたのですが、ある日、とうとうそんなじれったい関係にプッツンきて、強引に告白。

「お前が冗談だって言うなら、教えてあげるよ。俺がどれだけ本気か」

熱い、熱いぜ誠悟…！

しかし、まだ恋というものが分からない主人公は誠悟の熱いアプローチに逃げてしまいます。誠悟は彼以外のルートでも、ヒロインをずっと好きだった描写がチラホラ出てくるので、その度に何だか、不憫な気持ちになります（笑）

…そんな不器用さんは嫌いじゃない、嫌いじゃないよ！

「お前の側を離れたくない」「俺はさ、嫉妬深いよ」等など、ヒロイン大好き発言がポンポン飛び出してくるのが怖…や、可愛かったですｖ

 

【鳴滝　宗哉】（ＣＶ．平川　大輔）

●誠悟の兄で、主人公の幼馴染の３人目。廃校寸前の学校の唯一の教員で、主人公たちの担任。飄々としていて、いつも軽口をたたいている、頼れるお兄さんキャラ。彼のことはベル兄と呼ばせて頂いておりました。いつ、「僕の小さなアンジェ」と言われるか楽しみにしていたのですが、結局言われませんでした。（←当たり前）

しかし、優しいお兄ちゃんキャラが、彼のルートに進むと、冷たい態度に豹変します。壁際に押し付けられて、鋭い言葉でののしられてみたり。デ、デレツン…？！と思いきや、ヒロインを突き放すために、わざとやっている行為だったことが後半で判明。

彼のスチルは人工呼吸スチルがあるのですが、少女漫画っぽいキスシーンではなく、ちゃんと顎を上げさせ、鼻を摘まむ、「人工呼吸」なスチルだったことに感動しました。（リアリティ！）

最後はラブラブでしたが、兄ちゃん、弟の想い人とっちゃった…。これで将来、結婚とかして、鳴滝の家にヒロインが嫁に来てしまったりしたら、圭悟は確実にグレルと思います。